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2010年 04月 20日
★個展への道 ~スプレーステンシルについて~
DMには「2008年から本格的に制作を始めたスプレーステンシル作品の展示を行います。」と書いています。

その「スプレーステンシル」というものについて説明します。


■スプレーステンシル作品とは?

スプレーを使用して制作したステンシル作品を、僕が「スプレーステンシル」と呼んでいるだけです。


■スプレーステンシルというカテゴリーがあるのか?

まだ美術のジャンルとして確立していないと思います。
スプレーステンシルを、制作の手段の一部として取り入れている作家は稀に見ますが、スプレーステンシルのみで作品制作をしている作家は多くありません。
スプレーを使用してステンシルで絵を描く方法はグラフティやストリートアートで多く生まれました。


■なぜ「ステンシル」と呼ばずに「スプレーステンシル」と呼ぶのか?

①手芸や染色の世界にあるステンシルとは区別したい為。
②エアブラシでも制作可能だが、グラフティから影響を受けた名残を残したくスプレー缶を使用して制作している為。
③ストリートアートのステンシルとも区別したい為。
④現代の美術のひとつのカテゴリーとして確立させたい為。

これらは僕自身の勝手な考えです。


■スプレーステンシル作家で有名な人物は?

Banksyです。
もともとグラフティやストリートアートの世界にいた(今でもいる)人ですが、作品が落書きではなくアート作品として認められた人物です。


■グラフティやストリートアートではなく、スプレーステンシル作品を制作している作家は日本にいるのか?

ネットでの検索しかしていませんが、います。しかし数は少ないです。
グラフティの延長でアートシーンへ流れている者が多いようです。
僕の様に県の公募展に出品するような作家は知りません。


■現在、日本に存在するスプレーステンシル作家の特徴は?

Banksyやグラフティの影響を強く受けて、オリジナリティのある作品を制作する作家は居ないと思います。(居れば名乗り出て下さい!)
Banksyが政治的メッセージにパロディを交えた作品を多く制作しているように、日本人のフォロワーも「シュールなシーン」や「政治的メッセージ意味するシーン」を描いています。
また、Banksyやグラフティに影響を受けた作家は作品に「グラフティ」「HIP HOP」「ファッション」の要素を多く加えようとする傾向がある様に思います。例えば、有名なHIP HOPアーティストの写真をそのまま作品にしてしまったり、有名な映画のキャラクターをそのまま作品にする作家が多い様です。
(HIP HOPの要素であるグラフティから生まれたモノなので、DJが曲をサンプリングする様に、ステンシル作家がラッパーの写真をサンプリングする行為は似ていてHIP HOP的行為ではありますが・・・)

しかし、僕はそんな作品達に納得出来ません。

そりゃあ、ハリウッド女優の写真をオシャレにステンシル作品に変換すれば「オシャレ」に見えますが、オリジナリティが無いと思います。
ネットで拾った画像をコラージュしてイラストレーターで明度分割して、ステンシル作品に変換すれば「オシャレ」な作品はできるでしょう。しかし、リアリティが無いと思います。


■ではYMTDSKが制作するスプレーステンシルとは?

画材手法について・・・
手法はグラフティの世界で使用される手法。スプレーと版を使用しています。
しかし、グラフティライターでは無い為、グラフティとは区別して紙やキャンバスに作品を制作する。
グラフティから派生したグラフティ風なアートとは区別したい為、より絵画的な作品に仕上げるように心がけている。例えば、キャンバスに制作して額装して飾るなど。
キャンバスに版を当ててスプレーを吹き付ければ完成するという手軽な手法だが、作品のクオリティを上げる為に基底材や画材や下地作りにこだわっています。
現在キャンバスに制作する場合は、パネルにキャンバスを張ったものを使用するようにしている。
アクリル系下地剤であるジェッソを塗り重ね、乾燥後に表面が平らになるまで研ぐ。
納得がいかないものは作り直すようにしています。

モチーフについて・・・
自分が実際に見て取材したものをモチーフとして使うようにしています。
ネットから拾った画像は使用しません。(映画のキャラクターなども使用しない)
理由はリアリティにかけてしまう為。
誰でも簡単に出来るステンシルを、誰でも簡単に拾える画像をネタとして使用してしまうと、ありきたりで薄っぺらい内容になってしまいそうだと考えているからです。自分が実際に見て「作品にしたい」という感情が起こり、実際に行動を起こす方が、作品に対しての思い入れも少しは深くなると思います。
僕自身が薄っぺらい作品を好みませんし、作品には強度が必要だと考えているからです。(物理的な強度ではなく、視覚的に感じる強度)
(黒盤研究所のフライヤーの為に作った作品は例外とします。自分一人のアイデアで制作していない為。)

一応、このような事を考えてオリジナリティ&リアリティのある作品を制作しています。

以上。



これらが、「スプレーステンシル」について僕が今考えている事です。
(もしかしたら加筆訂正あるかもしれません。)
ご意見等ありましたらコメントください。



OBS大分放送様からイベント情報を掲載して頂きま
した。
http://www.e-obs.com/event/?page_id=48

by ymtdsk | 2010-04-20 19:12 | お知らせ | Comments(0)


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